理事長便り
2023.01.01
新年のご挨拶と業界動向推測
新年のご挨拶と業界動向推測
愛媛県自動車車体整備協同組合
理事長 菅 貞明
明けましておめでとうございます。お健やかに、令和5年を迎えられ、組合員の皆様にはご健勝の事とお慶び申し上げます。
昨年中は組合事業運営に際し、多大なるご尽力を賜りありがとうございました。
引き続き本年も、ご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
令和2年4月から施行された、特定整備認証の猶予期間も一年余りとなりました。
組合員の皆様には、施行前よりお知らせをさせて頂き準備万端と推測しています。
お陰様で組合員の皆様方の特定整備認証取得率は概ね60%で順調に推移しています。
特定整備認証に関しての情報
直近、東京での会議に出席時、工具商社との情報交換時に、特定整備認証未取得事業所への営業活動を自粛するよう、自動車整備機器メーカーで指示がされ、取得している事業所への営業活動に切り替えるようにと、指示があったそうです。
厳しい現況です。特定整備認証取得は自動車整備業界の45%で45,000社程度。愛媛県 全体の取得率は38.4%で 564社です。全国平均を下回っています。引き続き組合員の取得に向けて、ご支援させて頂きます。
今後の自動車整備需要は、現在取得済の事業者で賄えると試算されている様子です。自動車整備需要の減少傾向に対して、供給過多を防ぎ「適正で安全安心な整備を提供できない事業者は残れない」事業者間で業界内連携を国交省も推奨されています。
損害保険会社の動向
「車両故障の特約」 何気に見過ごしがちですが、レッカー搬送の必要のある故障を前提にした、故障修理費を負担する自動車保険です。
従来は事故における補償ですが、補償範囲を事故以外の故障まで範囲を広げる囲い込み商品となっています。加入条件はメーカー補償が切れた後、車両保険とレンタカー費用特約がセットなど車両保有台数減少に向けての保険料を確保する努力が見て取れます。
私たち自動車整備業界も自ら売り上げ確保の努力を怠っては、生き残れない時代です。
事故修理に関しての懸念
損害保険会社のサービス部門(責任者)から談話で、県内でフレーム修正からエーミング調整まで自社完結の事業所が少なく、今後の修理対応に懸念を抱いている。会社としても、事故発生後の修理を大変危惧しています。安全安心な車体整備ができない。修理難民が発生することが想定されています。現状としては大破修理の減少。熟練作業技術者の退職、車両損害の多様化と若年技術者の絶対的不足。経営者も減価償却できない、投資には慎重。昨今の電子化対応ができていない、安全担保ができない、以前はアナログ的修理で完結したが、整備のデジタル化、今後はエビデンス(修理内容の数値化証明)への対応、デジタル整備はOBD検査対処やECU対応が求められます。
今後の動向について見えてきたもの
特定整備認証制度では従来からの、未認証工場を摘発し安全安心整備こそが、国土交通省の施策で、国民に対しての安全安心な自動車整備提供が目的です。告発と摘発の実施でASV整備未認証整備撲滅がテーマになります。国土交通省は事業の廃棄でなく、事業連携で地域貢献できる自動車整備業界を期待しています。
業界自体で整備難民発生を防止しなければ、業界存続(サステナビリティ)はありません。地域への貢献は、地域の安全安心確実な整備から始まります。
全ての作業を自社にて完結をするためには、高額な設備投資が必要です。国土交通省は業界内連携で地域の安全安心を提供することが、事業所の生き残り策としています。従来の自社完結型は業界の破綻の原因、整備難民が発生しないよう行政機関として自動車整備業界に要請されています。
この先2年間で存続(勝敗)が決まる
需要を知り供給を知れば、今後の業界も危うからず。(孫氏の兵法より)
業界大変革は確実に起きていて、優劣はすでに決しようとしています。
自動車アフターマーケット情報を総括して、毎年3月に東京ビックサイトにて展示会を主宰されている松永博司氏をお迎えして「歯にもの着せぬ講演会」を開催します。
講演会では大いに奮起・失望してください。今、目を覚まさなくては、手遅れとなります。
本当に生き残りへの最後のチャンスとして令和5年1月27日16時15分より
令和5年賀詞交歓会を松山全日空ホテルにて開催いたします。
コロナ禍ではありますが、新しい年への希望を込めて、組合員の皆様に是非とも現状をお伝えしたく、ご参加を賜りたく、組合員の皆様には講演会費用を今回は徴収致しません。社員の皆様、組合員の皆様、お誘いあわせ是非ともご参加をお待ちしております。
組合員の皆様におかれましては、ご家族とお健やかに年末を過ごされ、新年が皆様にとりまして、実り多く健やかに暮らせることを祈念させていただき、ご挨拶とさせていただきます。